経営課題解決の道筋を発見し、優先順位を付ける手法

企業には様々な経営課題が存在し、部門や役職によってその優先順位は変わってしまうのが一般的です。 しかしながら、経営資源を集中する観点からすれば、優先順位は同じビジョンのもと決定されるべきです。

Decision Making Trial and Evaluation Laboratory
DEMATELは意見の相違を収束させ、ビジョンを共有するために適した手法です。

・売上を上げるための課題とアプローチ方法は?
・顧客の解約率を下げるための施策と優先順位は?
・在庫を削減するための課題とアプローチ方法は?
・システムを構築する上での優先すべき業務領域は?

など、意思決定が必要な様々な場面に際し、優先順位について全社の合意形成を即し、
かつ課題解決のためのロードマップを提供する簡単で強力なメソッドです。

DEMATELは3つのステップを繰り返しながら実施します。

Step1:課題解決のために必要な手段の洗い出し

部門やセクション単位で、課題解決に向けて有効な手段を洗い出します。

例えば「ある製品の売り上げを10%向上させる」というテーマがあったとします。
営業部門では、「営業マンを増員する」「代理店を増やす」「商品知識教育を強化する」などが挙げられるでしょうし、 宣伝部門では「ネット情報露出を上げる」「TV広告量を増やす」「口コミ量を増やす」などが挙がるでしょう。 また、製造部門では「デザインをマイナーチェンジする」「パッケージを変える」「製造リードタイムを短縮する」などが挙がってくるかもしれません。

関係無いと思われる手段でも構いませんから、とにかく多くの手段を挙げることが必要です。

Step2:手段に対し「原因」「結果」得点を付ける

部門で洗い出された手段を持ち寄って、同意義や重複を削除しながら、全てを一覧にします。
集められた一覧を表側と表頭に並べた行列表を作成します。
この行列表を再度部門やセクションに持ち帰ります。

部門では、表側を原因、表頭を結果と見なし、表側から見て表頭にどの程度影響を与えるかを、 3段階法、5段階法で採点し、次のような行列表を完成させます。

この表から1次処理として、表頭、表側の合計得点を算出します。
さらに2次処理として、
表側と表頭の合計得点を足したものをDispatcher+Receiver得点
表側から表頭の得点を引いたものをDispatcherーReceiver得点
として計算します。 この2つの得点をもとに分析を行います。

Step3:DEMATEL構造解析

Dispatcher+Receiver得点DispatcherーReceiver得点
をもとにチャートを作成し、 各手段の関係の強いものを線で結びます。
次のような構造図が作成されます。

縦軸にDispatcherーReceiver得点をとっていることから、上位にあるものは「原因系」であると判断でき、 下位にあるものは「結果系」です。
横軸はDispatcher+Receiver得点をとっていることから、より右にあるものは「複雑系」であると判断でき、左にあるものは「単純系」となります。

まだこの段階では、この構造図は各部門によって、大きく異なっているはずです。
第2ステップと第3ステップを繰り返しながら、各部門の考える構造を収束させる必要がありますが、議論するべきは右上に配置された課題だけで良いでしょう。 他に配置されているものは単独で解決できるか、重要度が低いものと考えられるからです。
この議論を経て意思統一された構造図が出来上がれば、ほぼ意思決定は固まったと見なせます。 あとは左上の「単純かつ原因」から施策を打ち始め、徐々に右上の「複雑かつ原因」の施策へと移行するプログラムを実行するだけです。

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